大都市圏は小4になると中学受験塾に通塾されるお子さんが一気に増える学年です。
地方では小5辺りから中学受験に通塾するケースが多いです。
受験モードに入るお子さんは一気に学習量も増え難しい問題集などに取り組むようになり、毎週のようにテストを受けます。
中学受験を希望されないご家庭はピンとこないかもしれませんが、私たち大人が高校受験したような勉強量を小学生でもするのが中学受験です。
中学受験するお子さんと中学受験しないお子さんの学習量が一気に変わるのがこの小4時期からです。
中学受験するお子さんは受験本番の小6の2月にピークを合わせこれから猛勉強を続けていきます。
中学受験しないお子さんとの学習量の差はドンドン開き中学入学時点での学力差は中学受験を経験した子としてない子で差が出ているのは当然だと思います。
しかし、中学受験をしないお子さんも焦る必要はありません。
中学受験をしないお子さんは最初の関門が高校受験です。
まずは高校受験へ向けてじっくり基礎学力→標準学力→応用力を養っていけばいいのです。
現在小4であれば高校受験まで6年間あります。この6年をアドバンテージとしていきましょう。
目次
小4は基礎学力をみにつける重要な期間
中学受験するお子さんは、小3までにほぼ学習習慣が身についています。
学習習慣があることを前提で小4から中学受験モードに突入していきます。
中学受験をしない息子も学習習慣を身につけるために小1より対策していました。
その結果、小4になる頃には1日勉強しない日があると何だか気持ち悪くなっているようです。
実際に、管理人の都合で勉強を見てあげられない時(通常は勉強を見れない時は課題を用意しておくのですがその時は急用だったので何も用意しませんでした)があったのですが、何も勉強しないのは気持ち悪かったらしく自ら計算ドリルなどをやっていました。
家庭学習を3年間継続してきた成果だと思います。
中学受験はしないが学習習慣は身についているお子さんは小4からは基礎学習を中心に学年末には標準レベルの問題がスラスラできるような取り組みをしていきたいです。
基礎学力の付け方
基礎学力の付け方は様々な方法があると思います。
勉強が苦手な息子が色々取り組んだ中でこの方法は基礎力の定着に欠かせないと思った学習法を算数と国語の教科別でピックアップして説明していきます。
算数
●複数の問題集に取り組む
●暗算ができるようにする
国語
●漢字はたくさんの熟語を覚える
●音読が重要
(算数)同じ問題集を繰り返しやるのは本当にいいの?
よく1冊の問題集を何度も繰り返し取り組み間違いが完璧になるまでやり切ることが重要であるという言葉を耳にします。
実際に息子も低学年の時に同じ問題集を徹底的にやり込んだ時期がありました。
しかし、現在は1冊の問題集を丸々何度も繰り返しやるということはしていません。
同じ問題集を連続して取り組むと答えを覚えてしまい内容を理解しているかは微妙なため、連続して何度も同じ問題集に取り組むのはやめています。
苦手な単元や重要ポイントなど繰り返し学習すべき部分は、あらかじめ問題集をコピーをしておき、タイミングどを見計らってもう一度取り組むようにしています。
現在の取り組み方は色々な種類の問題集やネットプリントを同時に複数取り組むようにしています。
色々な問題集に取り組む意図は、1冊の問題集で同じ問題を繰り返すと答えを覚えてしまうので、数字が変わったり問われ方が変わったりした類題をたくさん取り組むことで、考えながら問題を解くことにつながります。
1冊の問題集を何度も繰り返すというやり方が悪いとは思いませんが、息子の場合、答えを覚えてしまい本当に理解できているか微妙だったので今はやめています。
(算数)やっぱり計算は重要!
算数の基本は計算です。
小学生の間に四則計算の暗算はスムーズにできるようにしておきたいです。
管理人と息子も色々な学習に取り組みましたが、結局「計算力」が弱いと算数は厳しいです。
今さらながら多くのお子さんが公文に通う理由が納得できます。
くもんを否定する方もいますが、計算力を養うにはくもんは近道だと思います。
息子も小1の時にくもんに通わせようと体験に行きましたが、そこでの印象が悪かったのか「くもんは絶対に行きたくない」となってしまい断念しました。
そこでそろばんでもと思えればよかったのですが、当時の管理人はそのことに思いを巡らせることはできませんでした。
そんな小4の息子はそれなりに家で計算学習をしてきましたが、スピード・正確性などすべてにおいて標準以下だと思います。安定感がありません。
管理人が求める安定感はある程度、「暗算」ができるレベルです。
なぜ暗算ができるレベルが重要なのかというと、高学年・中学・高校と進むにつれ学習する内容は当然難しくなり「理解して授業を聞く」と「授業を聞く」とでは大きな差がでてきます。
学年が進むにつれ授業のうわっつらだけ聞いて理解しているつもりになっているケースが多くなり、実は「授業を全く理解してない」・「授業についていけていない」ということになり、結果、算数や数学が苦手ということになってしまいます。
「授業を理解して聞く」ということが出来ない大きな要因が「暗算」ができないということが理由の一つです。
算数や数学の授業では四則計算はできることが前提で学習が進むので、いちいち計算の確認をしません。
例えば縦22cm横8cmの四角形があります。この四角形を利用して・・・・・みたいな授業をしている時に22cm×8cmの式について説明はせずに授業は進んでいきます。
この時に暗算でパッと面積が176㎠の四角形をイメージしているか22m×8mを漠然と数字だけが耳に入ってきて頭が働いていないかで授業の理解度は大きく変わってきます。
授業のうわっつらだけ聞いて、実は理解していない状況になっているのです。
小3で四則計算をすべて学習したことになり、小4以降の授業では四則計算がわかっていることを前提に進んでいきます。
学年が進むにつれより複雑な授業を理解するには頭を回転させながら理解する授業の受け方をしなければいけません。
その為には「四則計算の暗算」がある程度できることが重要になってくるので今の内から訓練する必要があります。
小4の息子は「山本塾の計算ドリル」を使って「たし算」から暗算の訓練を始めています。
●たし算 3桁+3桁
●引き算 3桁-3桁
●かけ算 2桁×1桁
●わり算 3桁÷1桁
(国語)漢字
漢字はとにかくドンドン覚えていくしかないです。
できるだけ色々な熟語を覚えていく必要があります。
かなりの量になるので毎日コツコツ新しい漢字・熟語を覚え、今まで覚えた漢字・熟語の復習も毎日取り組みます。
漢字の学習は勉強が得意な子供も苦手な子供もあまり差がでない分野です。
どの子供も覚えるしかないので学習センスはほとんど関係ありません(暗記できるスピードは違う)
漢字は勉強が苦手な子供の頑張りどころの分野です。
息子は道村式の唱えて覚える漢字学習法に取り組んでいます。
道村式に変えてから覚えるスピードが格段にあがりました。
(国語)音読
音読も毎日訓練することで勉強の苦手な子供も活字慣れ、初見の文章でも滑らかに読めるようになってきます。
音読は文章の内容を理解できているかの判断材料になるので読解問題でも音読するのが学習指標として役に立ちます。
スムーズに音読できているようであればその文章は十分理解できているので読解問題もスムーズに解けるはずです。
音読でつまずきが多い場合は、文章の理解度は低いと思うのでもう一度音読をしたり黙読すると文章の理解度があがります。
毎日読解問題を音読するだけでも少しずつ力がついていきます。
国語学習の基本は漢字と音読です。毎日取り組むことで少しずつ力がついてきます。
小4は反抗期も重なるので注意
小4くらいから反抗期も重なってくるので、やる気を削ぐような学習は避けなければいけません。
例えば、「苦手科目ばかり取り組む」・「難易度の高い問題ばかり取り組む」・「長時間の学習を強要する」などお子さんがやる気が削げている感じがあれば取り組み方を改善する必要があります。
小4は難しい時期です。反抗期もありますが世の中のことも少しわかってきたり、興味のあることが今までは家庭の中だけだったのが外にも向いていく時期です。
子供の様子を見ながらうまく付き合っていかなければなりません。
低学年のように頭ごなしで従わせようと思ってもうまくいきません。
学習習慣がついていない子の対策
低学年の内はあまり学習を重視していなかったので学習習慣が全くついていないというお子さんはどうしたらよいでしょうか?
大丈夫です。安心してください。
小4からでも間に合います。
ただし、学習習慣がついていないお子さんがいきなり1時間も家庭学習しようと思っても無理です。慣れていないからです。
通常は小1から小3の間に学習時間を徐々に長くしていきます。
では、小4だと遅い?と思うかもしれませんが、小4になると低学年に比べ精神構造が成熟してきているので短い期間で学習習慣を身につけることが可能です。
低学年の場合は集中力が低いので学年ごと月ごとに少しずつ学習時間を延ばしながら集中力も身につけていかなければなりません。
その点小4からだとある程度、集中しながら学習することができます。
そこをうまく利用していくと短い期間で波に乗り学習習慣が身についていきます(GWや夏休みなど長期連休は親子で学習に向きあえるいいチャンスです)。
では小4から学習したらよいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、小4からだと反抗期などが重なりうまく学習習慣をつけることができない可能性があったり、個が出来上がりつつある人間を誘導するのは中々大変な時期なので、学習習慣が身につかないというリスクは低学年時より高くなります。
低学年の内から学習習慣を身につける対策をした方がセーフティです。また、親御さんの忍耐力も低学年の時より要します。
一方、低学年の子供は素直です。親の言うことは大半は受け入れるので誘導しやすいです。
結果として低学年の内に学習習慣を身につけさせるのはスムーズですし親も楽なので、小1から短い時間でいいので毎日コツコツ学習することが王道です。
しかし、小4からでも学習習慣を身につけることは可能なので、反抗期があることを前提に無理をさせ過ぎず、子供の様子をうかがいながら勉強時間・学習内容をステップアップしていけば大丈夫です。
基礎学力の重要性まとめ
基礎学力は中学受験をする子供もしない子供も必須です。
中学受験する子供は4年生までに基礎学力がしっかりしていることが前提に発展レベルの学習をしています。
もの凄いスピードで中学受終了まで学習していきます。
一方、中学受験をしない子供は、高校受験まで時間があります。
小学生の間は基礎力を身につけるためにじっくり学習し、中学からスタートダッシュをしていきます。
今は基礎レベルの学習に重点をおき学年末には標準レベルの学習がスムーズになっていれば全く問題ないです。
焦って発展問題をやる必要はないです。
ただし、標準レベルでは物足りないお子さんは発展問題をガンガンやってもいいと思います。
小4現在で学習習慣が身についていないお子さんは、まずは学習習慣を身につけるために少しずつ学習時間を延ばしていき、学習時間量の増加に合わせ学習レベルも上げていきましょう。
周りの人や環境と比較し、基礎勉強ばかりしていては世の中から置いていかれる、落ちこぼれになってしまうのではないか?という不安にかられる場面もあると思います。
特に大都市圏に住んでいるご家庭は、中学受験をするお子さんも多いと余計に不安になると思います。
みんなハイレベルな学習をしているのではないか?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
文部科学省学校基本調査では私立中学に通う生徒7.4%、国立中学に通う生徒0.9%というデータから全体の約8%ちょっとが中学受したという結果が出ています。
周りで中受するお子さんをたくさん目にしている場合でも全国的に見るとごくわずかなのです。
今は周りに左右されずじっくりと基礎学力をつけることに重点をおいて底力をつけていきましょう。
小学生が毎日勉強しているだけでもすごい事なので焦る必要はありませんよ。