昨今の少子化にも関わらず首都圏での中学受験者数は増加傾向にあります。
いじめなどの不登校により中学からは環境を変えたい、地域の進学先公立中学が荒れているので避けたい、難関大学の付属中に入学しエスカレーター式で進学したい。
親御さんは色々と考えた末に子供の特性に合った、また、将来を見据えて中学受験に挑む家庭が多いです。
地方はまだまだ公立の高校受験がメインで中学受験はそれ程さかんではありません。
目次
地方の中学受験の問題点
地方は首都圏のように中高一貫の私立校の数はぐっと少なくなります。また、中高一貫が一般的ではないので受験者数も少ないため定員割れするような学校もあります。
定員割れする学校はすべてではありませんが、偏差値も下落傾向にあります。
学校も運営維持のためには多少、学力が劣っても多くの生徒を入学させたいというのが本音でしょうから必然的に偏差値も下がってきます。
地方で中学受験となると国立系の中学か公立の中高一貫校になります。
こちらは国公立ですのである程度の学力レベルでなければ入学できないので、地方といえども一定の偏差値を保っています。
ただし、首都圏私立のように偏差値が細かく分かれきっちりレベル別になっているわけではありません。
地方の国公立中高一貫校は小学校である程度学力が高い子供が受験しますが、偏差値のスバ抜けて高い子供とギリギリ入学できた子供に差があります。
受験中学校が少ないゆえの弊害です。
受験校が少ないということは、各小学校でずば抜けて頭が良い子もある程度上位成績の子も選択肢が無いので同じ国公立中学を受験します。
首都圏のように秀才だけが集まる学校、中堅レベルの学校など偏差値が細分化され選択肢が多いわけではないのでしょうがないです。
この現象はとても不幸な現象です。
ハイレベルの子はレベルの高い学習を求めますが、中堅レベルの子にはきつ過ぎてついていけません。
逆にレベルを落とすとハイレベルな子にはもの足りなさを感じてしまいます。
結局、地方の国公立はある程度のレベルの学習内容になるので、どちらのレベルの子も塾通いになるケースが多いです。
首都圏はハイレベルの授業をどんどん提供し、学力が高い子を満足させるに十分な授業展開となります。
一方、中堅レベルの学校は全体の底上げを図るような学習プログラムにたけているので、卒業するまでにはしっかりレベルアップできる環境です。
このようにお子さんに合った学校に進学することで、あとは学校側でうまく導いてくれるだけの環境が整っているのです。しかも、私立は学校の評判も重要なので手厚いサポートもしてくれます。
ゆえに地方では首都圏ほど中学受験が熱くならず、相変わらず公立高校受験が重きを置くことになります。
そうなると小学生の内から、ある程度、高校受験を見据えた学習の進め方が重要となります。
ちなみに管理人の息子は、中堅レベルの学力ではないので単純に公立中高一貫受験は無謀なので、初めから高校受験にかけています。
高校受験までの大まかな目標をたてる
地方の多くの子供が高校受験をすると思います。そこで高校受験までに小学校のうちにやるべきことは何か?考察していきたいと思います。
高校受験までの年月を逆算し、どのような方法で学習を進めいていくのがベストなのか、小学生のうちにおおまかな学習目標をパターン別にしてみました。
もちろん、まだ小学生なので今後の成長によっては目標の変更は随時していくのでザックリとした目標のくくりでいいと思います。
①先取り学習し中2までに中3の範囲を終わらせる。
②小学生の内は学習習慣をつけることを最大目標にし、算国理社は今やっている学校の範囲をきっちり学習し、英語は少しずつ取り組む。
③小学生の内はストレスなく自由に過ごし、最低限、現在、学習していることをきっちり理解し、来るべき受験にそなえ運動などをして体力もつけるようにする。
④高校受験は9教科の評価になるので小学生の内は色々なジャンルのことに興味を持つように導き、全教科満遍なく高成績を修めることができるように導く。
⑤算数検定・漢字検定・英語検定など身近な目標を設定し、常に高い学習意欲とレベルを維持するようにする。
おおまかに分けてみましたがその他の考え方もあると思います。
自分の子供の特性をよく理解しお子さんに合った長期的な目標を立ておくことは重要だと考えます。
ちなみに息子は②の方針です。
基礎学習を徹底する
中学受験をされるお子さんはハイレベルの問題に取り組んだりします。それらを意識すると中学受験をしない子供も発展レベルの問題集に取り組むべきか?と悩む親もいると思います。
もちろん発展レベルがスムーズできる能力があるお子さんであれば、子供が嫌がらなければ発展問題や中学受験問題などに取り組み、学習意欲を満たすよう導くのもよいと思います。
また、模試なども受けて現在、自分がどのレベルにいるのか見てもよいと思います。
しかし、勉強は普通または苦手というレベルのお子さんは小学生の間は発展レベルの問題に取り組まず徹底的に基礎から標準レベルの問題に取り組むのがよいと思います。
我が家も低学年までは勉強が苦手なのにも関わらずちょっと難しめのレベルの問題集にも取り組ませていました。
今考えると息子には必要なかったと思います。危うく家庭学習の学習習慣が崩れるほど勉強が嫌いになった時期があり、猛省しました。
子供のレベルに合った学習をしなければ、下手をすると知らず知らずのうちに教育虐待をしているおそれがありますので注意が必要です。
高学年からは徹底的に基礎から標準レベルの学習をすることにし、地道ではありますが着実に力をつけているように見えます。
あせらずじっくり学習することが息子には合っています。焦っていたのは実は親の管理人だったのです。
学習習慣は早いうちに身につける
小学生のうちに学習習慣を身に付けることを絶対的な目標にするべきです。
中学受験をしないお子さんはどのような内容の学習をするとか、どのレベルの学習をするとかよりもとにかく学習習慣を身に付ける。
毎日、家庭学習を継続していくことが当たり前になることが最も重要です。
家庭学習をすることが当たり前になって初めて学習内容や学習時間などを考えた取り組みをしていきます。
できれば英語に取り組みたい
学習習慣がついていることが前提となりますが、試験に追われることもない非中学受験組は、高校受験まで時間がたっぷりあるので、英語の先取り学習をするというのもありだと思います。
しかし、日本語もあまり理解できていない低学年から取り組むより、ある程度、日本語が理解できるようになる高学年あたりから少しずつ英語に取り組むのがよいと思います。
中学生になり中学1年生レベルの英語がスムーズできるようになっている状態はかなりのアドバンテージになります。
中間・期末で詰め込み学習せずとも十分対応できれば他の科目に力を入れることができるのでかなりの助けになるはずです。
音読・作文の取り組み
中学受験がないのでその他の学習に力を入れることができるのも、非中学受験組のメリットです。
非中学受験組は理社の問題集に取り組む時間があるなら、まずは音読や作文に力を入れた方がよいと思っています。
管理人はすべての学習の原点は国語力だと考えています。
音読や作文は短期間で国語の点数や偏差値に反映されないので、中学受験勉強をする際は後回しになる傾向があります。
しかし、非中学受験組は短期間な学習成果は求められませんので、長期的に学力が上がる学習にじっくり取る組むことができます。
それが「音読」と「作文」だと考えます(管理人の考えです)。
例えば、読解問題を音読してみると文章の理解度がはっきりわかります。
文章の区切り方や音読スピードなどで文字を追っているだけの音読か?内容を把握しながら音読しているかすぐにわかります。
音読することで語彙を覚えたり、文章内容を把握する力がついてきたり、漢字の読みができるようになってくるので、ちょっと難しい文章を音読するのもよい学習だと思います。
作文も国語力をアップさせるには非常に効果的な学習だと考えます。
自分で文章を構成し、文章をまとめ表現することは大人になってからも非常に大切な能力だと思います。
作文はすぐにできるようになるものではありませんが、コツコツと書く訓練をしていくと少しずつ力がついてくる科目です。
頭の中で試行錯誤したことを文章に表すので頭を使う訓練としてもとてもよいと思います。
中学受験学習に追われることがない非中学受験組だからこそじっくり取り組める科目の一つが作文だと思います。
音読と作文については「小学生の音読は国語力につながる重要学習」と「作文学習は時間がある非中学受験組こそ取り組むべき」の記事を読んでいただければと思います。
色々なことに興味を持つ
小学生の内はとにかく色々なことに興味ができるような働きかけが大切だと思います。
ドリルや問題集のみの取り組みだけではなく、博物館・動物園・美術館・スポーツセンター・コンサート鑑賞・スポーツ観戦・昆虫取り・花見など外にはたくさんの刺激があります。
子供の頃にできるだけ多くの体験をすることで人生を豊かにするヒントが生まれるかもしれないので、親御さんは休みの時はできるだけ子供と色々な体験をしてみてください。
親子のコミュニケーション時間を大切にする
とにかく親子の会話が重要です。何でもいいです。
子供が話しかけてきたら目を見てしっかり聞いてあげましょう。意見を求められたら誠心誠意答えてあげましょう。
小さいころからの親子の絆が子供がまっすぐ育つ一つの要因だと思います。
当たり前ですが子供は親に褒めてほしいのです。親に話を聞いてほしいものです。
もし、親の言うことを聞いてほしいと思うのであれば、普段からしっかり子供に目を向けて接することです。
地方公立高校受験まとめ
地方の小学生は公立高校受験がメインとなります。
首都圏の子供と比較すると小学生の間の学力や学習量は比べ物にならないと思います。
しかし、地方ならではの過ごし方もあると思います。
中学受験をしないというメリットを生かし、小学生の内にしかできない体験や学習など色々なことにチャレンジできる時間的な余裕があります。
ただし、学習習慣は小学生の内に身に付けておかなくては高校受験にも乗り遅れる可能性もあります。
是非、お子さんの特性に合った長期的な目標を立てながら充実した小学生生活を送れるように導いてあげてください。